安讃です。
さて皆さんは、「小さい頃から通った思い出のあるショッピングセンター」はなにかお持ちでしょうか。
筆者の場合、愛媛県今治市の「フジグラン今治」がそれにあたります。転勤族の家庭に生まれ住む場所は転々としていても、今治にある親族宅への帰省はずっと続けて(なんなら数か月~年単位で疎開みたいな形で住んでいたこともある)いました。今治にあるショッピングセンターというと、フジグラン以外にもイオンモール今治新都市、そよら今治馬越(旧今治サティ)、ワールドプラザなどがありますが、イオンモールは開業したのがおよそ10年前であり、後者2つは比較的規模が小さいです。そのため、イオンモールの開業前は必然的にフジグランに出かけることが多かったわけです。
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そんなフジグラン今治ですが、2026年1月31日をもって閉店してしまいました。昨年(2025年)の夏頃に閉店報道が出た時には、「ついに今治にもその順番が来てしまったか…。」という感想になりました。というのも、フジグラン今治を運営するフジ(本社:広島市)は、2019年にイオングループ入りして以降、GMS事業が縮小傾向にあり、近年ではフジグラン大洲(愛媛県大洲市)、フジグラン川之江(同県四国中央市)などが閉店しています。
同じ今治市内に先述した同じグループ内のイオンモール今治新都市やそよら今治馬越がありますし、スクラップアンドビルドの一環と考えれば閉店するのもやむを得ないのかなとも思いますが、それでも小さい頃から親しんだSCの閉店は寂しく、心に来るものがあります。
ということで前置きが長くなってしまいましたが、フジグラン今治の思い出を振り返っていきたいと思います。

1月の帰省時に最後の訪問をしました。閉店セールの効果でしょうか、意外とお客さんの入りは多かったように思います。
そしてこうして東側の道路を挟んでSCの全景を見ると、意外と大きいなと感じます。

立地としては「東門町」と呼ばれる海沿いの港湾関係の施設が立ち並ぶエリアにあり、道路を挟んで向かいには今治タオルの振興施設「テクスポート今治」もあります。今思えば、この微妙な立地が閉店を招いてしまった1つの要因なのかもしれません…。

店内入口には「閉店のお知らせ」の告知看板がデカデカと掲げられていました。
商業施設オタクとして、閉店セール中の商業施設を訪れることはこれまでも何度かありました。しかし、筆者自身が実際にお世話になっていて、思い出の詰まったSCの閉店セールとなると、やはりこれまで以上に気持ちが重くなるものです。

店内は、北側と南側にそれぞれ直営売り場があり、その2つを専門店街で結ぶ「2核1モール」となっています。ただし、この専門店街が最盛期と比べるとだいぶ空き店舗が増えており、寂しさを感じました。
それでも、天窓の下にある太陽をかたどったロゴマークや、エスカレーターの「坊ちゃん、お嬢ちゃん、よそ見をしながら乗っていると、転びますよ。エスカレーターの近くでは、遊ばないようにしましょう。」という特徴的な注意喚起の放送など、小さい頃の記憶そのままのものもあって、懐かしい気分になりました。

テナントの空きが目立つ中で、営業していた数少ない店舗の1つが和食店の「どんと」です。ここは買い物ついでにお昼ごはんをいただくことがよくありました。幼き頃の筆者はお子様メニューには目もくれずとんかつ定食を頼み、親は「八幡浜ちゃんぽんうどん」を頼んでいた覚えがあります。
どんと自体はフジグラン松山などにもまだありますので、そのうちまたとんかつ定食をいただいてみたいものです。

南側の直営売り場は、婦人・紳士服と生活用品、玩具などが売られていました。このうち、玩具コーナーは幼き頃の筆者がトミカやプラレールを散々買ってもらっていた思い出の多い場所です。売り場のレイアウトはさすがに変わっていましたが、アーチ橋をモチーフにした「TOY」の看板は健在で、懐かしい気持ちになりました。

プラレールの売り場では地元の車両ということだけあって、「伊予灘ものがたり」をやたらと推していました。
これを見て思い出しましたが、ここで発売から数年経って売れ残っていた地下鉄東西線の05系を買ったことがあるんですよね。当時は他にも東京メトロの車両ダブルセットがいくつか売れ残っていて、個人的には重宝していました。

今度は北側のシネコンなどがある方へ向かおうとしたら、センターコートに何やら人が集っており、ダンスのイベントをやっていました。筆者もここで数多くの催し物を見てきましたが、何故か一番記憶にあるのはここで宇都宮餃子の屋台をやっていて、匂いにつられて餃子を買ってしまったことがあります。
改めてみてみると、緑を基調としたガラス張りのエレベーターが本当に美しいです。

そしてシネコンやゲームセンターがある方へ。シネコンは末期は「ユナイテッド・シネマ」でしたが、筆者がよく訪れていた頃は「シネマサンシャイン」でした。調べるまで知らなかったのですが、ここが四国唯一の「ユナイテッド・シネマ」だったそうですね。
実は、記憶のある中での筆者の映画デビューはここ(当時はシネマサンシャイン)でした。ドラえもんの映画を観た記憶があります。

シネコン・ゲームセンターの下には食品売り場があります。個人的には、この食品売り場の手前にあった「タカラブネ」という洋菓子店が思い出深いテナントの1つでしたが、残念ながらSC自体の閉店を前に撤退されていました。そして「タカラブネ」というブランド自体ももう存在しないそうで…。あのチョコスプレーが大量にかかったソフトクリームもいただけないのか、と思うとこれまた寂しい気持ちになります。


フジの食品売り場といえば、この紫と緑を基調とした独特な売り場とレジレーンの案内、という方も多いのではないでしょうか(?)。最近の店舗ではみられなくなったので、昔ながらのフジの風景がまた1つ消えていきますね…。

今度は立体駐車場にやって来ました。SCと駐車場に挟まれた赤い鉄骨に囲まれた薄暗い空間、これもなんとも言えない魅力がありました。

この立体駐車場、建物の中心にスロープがあって0.5階ごとに上昇していくという、少し複雑な構造なんですよね。筆者はこの帰省のあとに運転免許の交付を受けましたが、タイミングが合えば自らの運転でこの立体駐車場にクルマを停めてみたかったものです。

今までなかなか来ることのなかった屋上にも来ました。今治市街地と来島海峡大橋、瀬戸内海を一望することができ、なかなかいいスポットでした。以前からここで「おんまく」(毎年8月上旬に今治市で開かれる祭り)の花火を観る方が多いとは聞いていましたが、確かにここだと綺麗に花火が観られそうです。

ひととおり見終えて最後に外観を。ここは「FUJI」のロゴがまだ旧ロゴ(←未だに今のロゴに慣れなくて「旧」とか言いたくないですが…)なんですね。

寄せ書きにもメッセージを残しておきました。「何故かミスドが2つあった」というのは、1階の専門店街と2階のフードコートにそれぞれミスドがあったんですよね。末期にはどちらも無くなってしまいましたが、今でも「フジグラン今治といえばミスドが2つ」という印象が強いです。
そして、これを書いている間に流れていた「ハッピーショッピング」がいつも以上に身に沁みました。愛媛県民であればだれもが歌えるであろうフジのテーマソングですが、もうここで「ハッピーショッピング」できないと思うと、涙がこみ上げてきました。
題にもあるように、「筆者自身が実際にお世話になっており、思い出の詰まったSCの閉店」に立ち会うのは、これまでの人生の中でこのフジグラン今治が初めての体験でした。これだけ1つ1つの区画で何かしらを語れるぐらい思い出が詰まっていると、「寂しい」「悲しい」などの言葉では言い表せないぐらい、複雑な感情になります。
商業施設オタクとして、商業施設とは単なる買い物の場を提供するだけではない、「思い出に残る時間」を提供する場なんだなと、改めて実感するきっかけにもなりました。
今回は以上です。
閲覧ありがとうございました。