瀬戸の疾風

きっぷ・旅行・交通

初乗り運賃区間の乗継割引連絡乗車券~京阪電車への連絡乗車券から考える~

どうも、安讃です。

 

タイトルが卒業研究みたいになってますが気にしないでください。

今日は東福寺接続京阪線への連絡乗車券を例に、初乗り運賃区間の乗継割引連絡乗車券について取り上げます。

早速ですが券を見ていきましょう。

 

京都駅F4発行 京都→伏見稲荷 乗車券

「鉄社割」という割引印章があります。これは何なのかというと、律義に運賃計算すると旅客会社線部分(京都→東福寺)が営業キロ1.1kmで150円、会社線部分(東福寺伏見稲荷)が160円で合計額は310円になるはずですが、旅客会社線部分と会社線部分をそれぞれ10円ずつ割引し290円となっているため、割引運賃であることを示すために表示されているものです。

初乗り運賃区間の割引は西日本会社においては旅客連絡運輸取扱細則(詳細は割愛)に規定されています。ただ、この細則では割引運賃の表示は旅客営業規則第188条(1)のニの(ハ)に規定されている「割引」とすると定められているので、厳密にいえば「鉄社割」の印字は間違いであると言えます。しかしマルスでは「割引」の印章を表示できないため便宜的にこの表記を使っているものと思われます。

東福寺接続京阪線連絡でこのような割引がある区間の場合、マルスに運賃登録が無く、金額入力操作が必要となります。また、金額入力の中でも旅客会社線部分も含めて手入力が必要となる「基準額入力」で発売されており、経由印字が出力されていません。(そのため経由が手書きで追記されることもありますが今回の場合はされませんでした。)

ただこの乗車券を発券した(西)京都駅の中央窓口のマルス端末にはワンタッチメニューに登録されており、比較的すぐに発券できました。

 

 

 

今のはマルスの場合でしたが、POSだとどうなのでしょうか。西日本会社のB-POS端末でも似たような区間で発券してみました。

新田駅001発行 梅小路京都西→龍谷大前深草 乗車券

西日本会社のB-POS端末券には運賃登録があり、また細則に基づいた「割引」の印字がなされています。経由印字は「山陰・奈良線東福寺・京阪鉄線」で、B-POS端末における連絡乗車券特有の「○○鉄線」という社線名印字となっています。

ちなみに今回は購入していませんが、近距離券売機で購入した連絡乗車券もB-POS端末券と同様、「割引」印字がなされているようです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

ここからはちょっとした余談です。

 

連絡乗車券発売終了についてのお知らせ 奈良駅にて

画像の通り、先月31日をもって西日本会社の関西エリアでは障割や学割等の割引適用・近距離券売機で発売のものを除く一部の会社線への連絡乗車券の発売を終了しました。

これについては我々きっぷ収集の界隈では様々な議論が巻き起こりました。そもそも連絡運輸自体は引き続き残存していて(阪急電鉄等、一部内容が改正された会社もありますが)、規定上は発売を拒否する根拠がないのでよろしくないのでは…といった意見や、旅客連絡運輸規則第4条に「旅客の運送の円滑な遂行を確保するため必要があるときは、次の各号に掲げる制限又は停止をすることがある。(中略)前項の制限又は停止をするときは、その旨を関係駅に掲示する」とあって、これを基に各駅に掲示しているのでは…といった意見がありました。

きっぷ収集していて特に連絡乗車券が大好きな自分としては肩身の狭くなるものではありますし、規定上の根拠も薄いし、そもそも関西圏は自分の今住んでいる首都圏と違い、社線の運賃が登録されている区間が大半で発券もそれほど難しいわけではないので、なんだかモヤモヤする気分ではあります。

しかし、ネットやSNSが発達してこうして情報を手に入れることが容易になった今、趣味人口も増え、それに伴って必然と迷惑な輩も生まれてきていて、通常の窓口業務に支障が出てきていることも否めないので、もしそれが原因でそうなったのなら仕方のないことなのかな…とも思います。

いずれにせよ、今回この記事で紹介した連絡乗車券は現在購入ができなくなっているものと思われますので、あらかじめご承知おきください。

 

今回は以上です。

閲覧ありがとうございました。