ありがとう四POS特集(3)~海田市案件~

どうも、安讃です。

 

四POS特集第3弾となる今回は、マルスでは発券できないけれど四POSでは発券できる乗車券を紹介します。

 

規則16条の2 1項では、新幹線と在来線は同一の線路としての取扱いをすると定められています。そして同2項では、新幹線にしか所在しない駅のある区間については、両端の駅を発着する場合を除き、線路が異なるものとして旅客の取扱いをするとしています。

また、基準規程151条では、分岐駅を通過する列車に対する区間外乗車の取扱いの特例を定めており、分岐駅・列車の停車する駅間を途中下車しない場合に限り別に運賃を収受することなく折り返して乗車することを認めています。

 

この2つが共存している区間というのは複数ありますが、なかでも広島・海田市間の取り扱いというのは過去の経緯から非常に複雑になっています。

基準規程151条の2では、以下のように定めています。

(海田市・広島間に係る区間外乗車の取扱いの特例)
第151条の2  矢野以遠(坂方面)の各駅と三原以遠(糸崎方面)の各駅相互間を乗車する旅客が、新幹線に乗車(広島・東広島間を除く。) する場合は、規則第16条の2第2項の規定にかかわらず、三原・広島間を同一の線路とみなして、広島・海田市間において、途中下車をしない限り、別に旅客運賃を収受しないで当該区間について乗車券面の区間外乗車の取扱いをすることができる。
旅規ポータルより引用

本来、三原・広島間には東広島駅が所在するため、幹在別線が適用されるところですが、三原以遠と呉線矢野以遠を新幹線経由で乗車する場合は、広島・海田市間において分岐駅通過特例の取り扱いを行うことができるとしています。これはどうやら、東広島駅が1988年に新たに開業したため、それまで分岐駅通過特例の取り扱いを受けていた呉線方面への運賃が幹在別線を適用すると高額になってしまうことを防ぐためのようです。

ただ、この条文はあくまで「~できる。」とあるため、強制的な規定ではありません。この条文に定める分岐駅通過特例の取り扱いをせずに、新幹線と在来線を別の線路として取り扱うこともできます。

マルス端末では分岐駅通過特例を適用した乗車券しか発売できず、それを適用せずに幹在別線の原則を適用した乗車券は出札補充券での発売となります。しかし、後者の乗車券をいとも簡単に発売できるのが四POS端末なのです。

 

それがこちらです。

端岡駅001発行

連続1の券片は、「経由:…岡山・新幹線・広島・山陽線海田市呉線」とあり、海田市・広島間の分岐駅通過特例を適用せず、三原・広島間を幹在別の線路として取り扱っています。分岐駅通過特例では「折り返し区間内では途中下車をしないこと」が条件でしたので、折り返し区間である広島駅等では途中下車はできませんでした。この乗車券は広島・天神川・向洋で途中下車が可能となっており、実際に「広島 途中下車」の赤印字を付いたり、天神川・向洋では下車印を押印されています。

連続2の券片はJR西日本宮島フェリー株式会社航路への連絡乗車券で、「宮島航路」の経由印字が特徴です。

 

なお、四POS端末には補正禁止の機能はなく、基本的に入力した通りの経路で発券される傾向にあるため、この海田市案件の乗車券も単純に経路を入力すれば発券が可能でした。

 

 

今回は以上です。

閲覧ありがとうございました。